地域の転職情報 | 2018年3月19日

福島のハローワーク求人がブラック企業ってホント?ブラック企業の見分け方とは

この記事を書いた人

コンサルタント

大西 理

医療系商社で基幹病院を担当し、医師や経営・管理部門、各メーカーとの関係構築に努める。東北に貢献したいと考え、地元の人材紹介業へキャリアチェンジ。日夜、転職希望者と企業の最高の出会いを追及している。趣味はボルダリングとダーツ。

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福島県内には「ハローワーク福島」や「福島新卒応援ハローワーク」など20カ所のハローワークが設置されています。

公的機関という安心感や無料で利用できる点がハローワークのメリットです。

ところが、「ハローワーク求人にはブラック企業が隠れているかもしれない」といった口コミもあります。

「せっかく転職したのに、入ってみたらブラック企業だった」という事態は絶対に避けたいですよね。

今回は、福島のハローワーク求人には本当にブラック企業が紛れ込んでいるのかどうか、ブラック企業を見分けるにはどうすれば良いかについて紹介します。

1.そもそもブラック企業とは?

「ブラック企業」とは、具体的にどのような企業を指すのでしょうか。ブラック企業にみられる特徴や実態について紹介します。

ブラック企業の特徴

「ブラック企業」という言葉は近年、よく使われていますが明確な定義はありません。厚生労働省が挙げているブラック企業の特徴は以下のようなものです。

  1. 労働者に対し、極端な長時間労働やノルマを課す。
  2. 賃金不払い残業やパワーハラスメントが横行するなど、企業全体のコンプライアンス意識が低い。
  3. 上記のような状況の中で、労働者に対し過度の選別を行う。

参考:厚生労働省「確かめよう 労働条件」、Q&A「ブラック企業」ってどんな会社なの? http://www.check-roudou.mhlw.go.jp/qa/roudousya/zenpan/q4.html

ブラック企業の特徴をまとめると、次のようになります。

  • 長時間労働
  • 過酷なノルマ
  • サービス残業
  • パワハラ・セクハラの横行
  • 有給休暇の未取得
  • 社員の切り捨て・退職強要
  • 危険な労働環境

ブラック企業の実態

若い社員を使い捨てにしている疑いがある約5,000の事業場に対し、平成25年に行った重点監督(法令違反の取り締まり)では、実施対象の約8割に何らかの法令違反があったそうです。

以下のように違法な時間外労働をさせていたところは、4割を超えています。

参考:以下のデータを基に作成
厚生労働省:若者の「使い捨て」が疑われる企業等への重点監督の実施状況 ―重点監督を実施した約8割の事業場に法令違反を指摘―
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000032425.html

「勤め先がブラック企業」と思っている社員は4人に1人

ブラック企業は明確な定義がないため、ブラック企業かどうかの判断は社員自身の認識によって異なるといわれています。

公益財団法人 連合総合生活開発研究所の「勤労者の仕事とくらしについてのアンケート調査」によると、自分の勤め先が「ブラック企業」と認識している社員は24.6%。

つまり、4人に1人が「ブラック企業」と思いながら働いていることになります。

特に、20代(32.4%)と30代(33.1%)では勤め先をブラック企業と認識している社員が多く、いずれも3割超です。

また、ブラック企業と認識している人には、「賃金が低い」「労働時間が長い」などの傾向がありました。

参考:公益財団法人 連合総合生活開発研究所:連合総研:第32回「勤労者短観」(概要)「勤労者の仕事とくらしについてのアンケート調査」[2016年10月実施]、p16~20 http://rengo-soken.or.jp/pdf/資料%EF%BC%92%20関連図表%EF%BC%88記者発表資料%EF%BC%89.pdf

2.福島のハローワーク求人はブラック企業?

ハローワーク求人の中には、本当にブラック企業も紛れているのでしょうか。ハローワークの求人に関する申出や苦情などを通して、ハローワーク求人の実態を見ていきましょう。

ハローワーク求人に対する苦情の実態

ハローワークの求人票の記載内容について求職者から寄せられた苦情を全国で集計した結果、平成24年度は7,783件でした。

しかし、平成26年3月に「ハローワーク求人ホットライン」を開設したところ、平成26年度は12,252件に急増しています。

その後、ハローワークで苦情等に対応した結果、平成27年度には10,937件に減少し平成28年度は9,229件と1万件を下回りました。

件数として年々減少していますが、多くの苦情が寄せられる状況は続いています。

参考:厚生労働省の以下の情報を基に作成
・ハローワークでの求人票と実際の労働条件が異なる場合の対策を強化します ~3月24日から「ハローワーク求人ホットライン」を開設~
www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000040696.html
・平成 27 年度 ハローワークにおける求人票の記載内容と実際の労働条件の相違に係る申出等の件数
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11601200-Shokugyouanteikyoku-ShusekishokugyouShidoukanshitsu/0000126600.pdf
・平成 28 年度 ハローワークにおける求人票の記載内容と実際の労働条件の相違に係る申出等の件数http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11601200-Shokugyouanteikyoku-ShusekishokugyouShidoukanshitsu/0000170500.pdf

ハローワークへの苦情の半数は「賃金」と「就業時間」

どのような苦情が寄せられたかをみると「賃金」に関することが最も多く、次いで「就業時間」や「職種・仕事の内容」などが上位を占めています。

平成26~28年度の3年間はいずれも同じ内容が上位を占め、割合もほぼ同様でした。

参考:厚生労働省「平成 28 年度 ハローワークにおける求人票の記載内容と実際の労働条件の相違に係る申出等の件数」のデータを基に作成
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11601200-Shokugyouanteikyoku-ShusekishokugyouShidoukanshitsu/0000170500.pdf

また、ハローワーク求人の苦情を産業別にみると、「医療・福祉」「卸売業・小売業」などが上位を占めています。

参考:厚生労働省「平成 28 年度 ハローワークにおける求人票の記載内容と実際の労働条件の相違に係る申出等の件数」のデータを基に作成
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11601200-Shokugyouanteikyoku-ShusekishokugyouShidoukanshitsu/0000170500.pdf

「自分の誤解」が求人トラブルを招く?

ハローワークの求人票に関する苦情が発生した要因をみると、「求人票の内容が実際と異なる」が平成26~28年度は36~39%で推移しています。

ただ、苦情の中には6%ほどですが、毎年「求職者の誤解」というケースが含まれています。

実際に面接を受けに行ったり、実際に転職したりした後で労働条件と求人票が異なっているのに気づき、「理由は自分の誤解だった」という事態は避けたいものです

ハローワークで求人票を確認するときは、早合点や思い違いをしないように十分注意しましょう。

>>転職活動の強い味方?福島のハローワーク基礎知識と活用法

参考:厚生労働省の以下の情報を基に作成
・平成 27 年度 ハローワークにおける求人票の記載内容と実際の労働条件の相違に係る申出等の件数
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11601200-Shokugyouanteikyoku-ShusekishokugyouShidoukanshitsu/0000126600.pdf
・平成 28 年度 ハローワークにおける求人票の記載内容と実際の労働条件の相違に係る申出等の件数http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11601200-Shokugyouanteikyoku-ShusekishokugyouShidoukanshitsu/0000170500.pdf

ハローワークではブラック企業の完全排除は困難

ハローワークは公的な機関のため「安心して利用できる」と思っている方は多いことでしょう。一方で、ハローワーク求人に関する苦情の多さを考えると油断は禁物です。

ここでは、ハローワーク求人の特徴や近年、ハローワークが取り組んで申し込みラック企業対策について説明します。

ハローワーク求人の特徴

ハローワークは「職業安定法」という法律により、求人申し込みをすべて受理しなければならないと定められています。また、ハローワークはセーフティネットの役割があるので求職者も、求人者である企業側も利用は無料です。

採用コストがかからないので、企業側は気軽に利用できます。そのため、「とりあえず出しておいた」というような採用の意思が明確でないケースもあり、なかなか採用を決めない、そもそも採用基準があいまいといった企業もあります。

一見、ブラック企業のように見えても、実は離職者が少ない企業のため「求人に慣れていなかっただけ」という問題のないケースも中にはあるようです。

しかし、助成金目的の求人や意図的にごまかそうとして記載した求人票なども含まれているので注意しましょう。

ハローワークにおけるブラック企業対策

近年、若者が使い捨てにされる状況を改善するために職業安定法が改正され(2017年3月31日成立)、段階的に施行されているところです。

改正内容のうち、募集内容に虚偽があった場合の罰則規定や労働条件の明示に関することは、2018年1月1日から施行されています。

また、職業安定法の特例として、ハローワークでもブラック企業の求人申込みを受理しないことが可能となりました。

ただし、現行では新卒者向けの求人が対象で、「すべての求人」が対象となるのは公布から3年以内。つまり、2020年3月までに施行される予定です。

ブラック企業を回避するためには「自衛」が必須

ハローワークをはじめ国の取り締まりは強化されつつありますが、実際に効果が出るのは時間が必要でしょう。

また、取り締まりを強化しても悪質なブラック企業は一層、巧みな方法で求人を出すようになることも否定できません。

そのため、残念ながらハローワーク求人からブラック企業を完全に排除することは困難でしょう。

福島のハローワーク求人にもブラック企業が紛れ込んでいると考え、自分で行える「ブラック企業対策」でブラック企業を回避することが重要です。

3.福島のハローワーク求人からブラック企業を見分ける方法

ハローワーク求人の中からブラック企業を見分けるのは、簡単ではありません。いくつかの方法を組み合わせ、総合的に判断する必要があります。

ここでは、ハローワークの求人票で注意すべき点や厚労省のブラック企業リストなどのネット検索について紹介します。

法改正により詳細な労働条件の明示が義務に!

改正職業安定法により、求人募集を行うときの労働条件の明示方法などが変更となりました。そのため、ハローワークに求人を出す企業も、従来に比べて労働条件を詳細に記載しなければなりません。

福島のハローワーク求人の中からブラック企業を見分けるには、法改正に合わせて労働条件を詳細に明示しているかどうかが1つの手がかりとなります。

引用元:厚生労働省リーフレット「労働者を募集する企業の皆様へ ~労働者の募集や求人申込みの制度が変わります~ <職業安定法の改正>  施行日:2018(平成30)年1月1日」から一部抜粋http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/0000171017_1.pdf

ハローワークの求人票はここに注意!

先ほど説明したように、ハローワーク求人の苦情として多いのは「賃金」や「就業時間」、「職種・仕事の内容」に関することです。

ブラック企業を見分けるためには、ハローワークの求人票を見るときにトラブルにつながりやすい賃金や就業時間などの3項目(以下の①~③)を特にていねいに確認しましょう。

出典元:ハローワーク「求人申込書の書き方」、p11を一部抜粋して作成
https://www.hellowork.go.jp/dbps_data/_template_/_user_/_LEAF_/USER/107/htdocs/_res/doc/ex_kyuujin01.pdf

職種・仕事の内容(求人票の①)

職種や仕事内容については「面接に行ったら、『別の職種で採用したい』といわれた」「予想もしていなかった仕事までやらされるようになった」などの声が聞かれます。

ハローワークの記載例では仕事内容が詳細に書いてありますが、悪質な企業はいろいろな仕事をさせるために「あえて抽象的に書いておく」というケースもあるようです。

ただし、求人を出すことに慣れていないために記載方法がわからず、抽象的な書き方になってしまったということも考えられます。

この場合、求人票のチェックとともに、ハローワークの窓口で募集履歴を確認するとよいでしょう。

 賃金・手当(求人票の②)

賃金の太線で囲まれた金額は、「基本給」と「定期的に支払われる手当」の合計となります。

賃金の多くは「180,000円~240,000円」のように金額に幅があり、求職者の経験や資格などによって決定されるのが一般的です。

ただし、賃金の下限と上限の差が著しく大きい場合は注意しましょう。中には高額な賃金で好条件をアピールしているところもあります。

しかし、上限額が支給されるのは極めて稀なケースで、通常ではなかなかあり得ない条件を明示している企業もあるので注意が必要です。

ハローワークでは経験や資格によって賃金が変わる場合は、「その他の手当等特記事項」や「求人条件特記申し込みの欄に「経験や資格別に賃金額を記載するよう」に求めています。

特記事項に記載があるかどうかまで、ていねいに確認しましょう。

参考:ハローワーク「求人申込書の書き方」、p13
https://www.hellowork.go.jp/dbps_data/_template_/_user_/_LEAF_/USER/107/htdocs/_res/doc/ex_kyuujin01.pdf

トラブルを招きやすい固定残業代

賃金と手当に関して「固定残業代」、あるいは「定額残業代」と呼ばれる制度を採用している場合は、特に注意を払いましょう。

固定残業代(定額残業代)とは、定額の残業代を月々の給与に含めて支給するという制度です。

たとえば、毎月の給与に「月20時間分の時間外労働手当を含む」と規定されている場合、時間外労働がゼロであっても20時間分の手当が給与の一部として支払われます。

反対に、月の時間外労働時間が設定した時間数(この例では20時間)を超えた場合は、超過分の残業代(割増賃金)を追加で支給するというものです。

ところが、事業主が「うちの会社は固定残業代だから」といって、時間外労働が設定の時間数を超えているにもかかわらず追加の残業代を支給していない企業もあります。

そのため、法改正より求人票の賃金は固定残業代を含まない金額とし、定額で支給する手当が何時間分に当たるのか、固定残業代を超えた場合は追加で支払うなどの記載が必要となりました。

興味のある企業が固定残業代を採用しているときは、記載方法がルール通りかの確認が重要です。なお、定額の残業代には時間外労働だけでなく、休日労働や深夜労働の割増賃金を含めている場合もあります。

 就業時間(求人票の③)

就業時間の欄には、労働時間や休憩時間、時間外労働に関することが記載されています。繁忙期の残業などについては「就業時間に関する特記事項」の欄に記載があることも多いので、特記事項も必ずチェックしてください。

また、就業時間で良いりにくいのは、一定の業務に携わる労働者に認められる「裁量労働制」という働き方でしょう。裁量労働制では実際に働いた時間数ではなく、予め定めた労働時間(みなし労働時間)分を働いたとみなします。

そのため、求人票では「何時間分を労働時間としてみなすのか」を具体的に記載するよう義務づけています。法改正に合わせてきちんと記載されているかを確認しましょう。

ハローワーク職員に企業の評判を聞く

ハローワークの職員は求人票に出ていない情報、たとえば過去の求人募集状況や企業に関するクレームなどを調べることができます。

ハローワークは公的機関のため、企業にとって不利になる点をハッキリと指摘するのは立場上、難しいでしょう。

求職者が期待するような明確な回答は得られない可能性もありますが、職員によっては多少、教えてくれることもあるようです。

気になる点があったときは、勇気を出してハローワークの窓口で聞いてみましょう。

理由のない大量募集

従業員数の割に募集人数が多く、過去の履歴から毎年のように大量募集を行っている企業は何らかの問題が潜んでいる可能性があります。企業が大量の募集を行うのは通常、1由があるものです。

特に理由もなく大量募集をしている企業では、離職者が多いことを見込んで大量の募集をしているといった指摘もあります。求人票の特記事項など良い認しても大量募集の理由がわからないなど、不明な点があればハローワークの職員に尋ねるとよいでしょう。

厚労省が公表する「ブラック企業リスト一覧」

厚生労働省は、労働基準法などの法令に違反している悪質な企業を厚労省のサイト内で公表しています。

いわゆる「ブラック企業リスト一覧」は都道府県労働局ごとに確認することが可能です。

転職を希望する地域では、どんな企業が、どのような法令違反でリストアップされているかを確認しておきましょう。

福島県でリストアップされたブラック企業は12社

厚生労働省公表の「ブラック企業リスト一覧」をみると、福島県内のブラック企業は12社(平成29年公表分)でした。

法令違反の内容は労働安全衛生法や労働安全衛生規則に関する違反が多く9社。ほかに、違法な時間外労働などがあったとする労働基準法違反が2社、さらに、賃金未払いで最低賃金法に違反した企業が1社ありました。

参考:厚生労働省:労働基準関係法令違反に係る公表事案(平成29年1月1日~平成29年12月31日公表分)、
http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/dl/170510-01.pdf

まとめ

福島県に限りませんが、ハローワークの求人にはブラック企業が紛れ込んでいる可能性があります。

ブラック企業を見分けるのは容易ではないので、いくつかの方法を実践し、総合的に判断しましょう。

ただ、仕事をしながら転職活動をする方は、「ブラック企業は避けたいけど、転職活動に使える時間はない……」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

限られた時間の中では自分1人でブラック企業対策を考えるより、転職エージェントを利用して専門家にアドバイスをもらう方が効率的かつ安全です。

ブラック企業を回避して、できるだけよい条件で入社できるように転職活動を進めていきましょう。

これさえ読めば失敗しない!
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