転職ノウハウ・コラム | 2021年5月31日

中途にも筆記試験はある?筆記試験の種類と特徴まとめ

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コンサルタント

神谷 貴宏

3,000人以上の転職をサポートしてきたベテランコンサルタント。大手証券会社、半導体商社、総合人材サービス会社を経て転職支援会社へ入社。「心から満足できる出会い」をモットーに、日々業務に取り組んでいる。趣味はゴルフ。

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転職の採用試験では面接が重視される傾向があるため、多くの方が面接対策に力を入れていることでしょう。
しかし、面接に加えて筆記試験を併用して総合的に合否を判断する企業もあります。

応募者の学力をチェックするだけではなく、筆記試験を通して「応募者がどの程度、試験の準備をしてきたか」という選考に対する意識や姿勢を見ているという採用担当者もいます。
そう考えると、筆記試験をないがしろにできませんよね。

今回は、中途採用で行われる筆記試験の種類や特徴について紹介します。

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1.中途採用にも筆記試験がある!書類ではわからない人物像を把握

筆記試験は、新卒採用の選考として行われるのが一般的です。
しかし、筆記試験を行うことにより応募者の性格や処理能力を客観的に測定することができるので、中途採用でも筆記試験を行う企業は増えています。

たとえば、転職者の場合、採用の判断は「何ができるのか」「実際にどんなことをしてきたか」といった職歴や実績が重要となり、採用試験では面接が重視されるのが一般的です。
面接に加え筆記試験を実施すると、職務経歴書では把握しきれない人物面や仕事への適応性(職務適応性)などを知る手がかりとなります。

また、企業が求める人材かどうかを転職希望者の1つの側面だけでなく、多面的に把握して判断できるのが筆記試験のメリットです。

なお、筆記試験を書類選考後の一次選考として位置づけたり、面接と同じ日に行ったりと、実施するタイミングは企業によって異なります。

筆記試験の内容も形式も多様

採用試験の筆記試験と一口に言っても、業者が実施(あるいは販売)しているテストを用いている企業もあれば、独自に作ったテストを使っている企業もあります。

新卒の場合であれば、企業のホームページから試験に関する情報を入手できることもありますが、中途採用は対象者が少なく、毎年決まって行われる訳でもありません。
そのため、試験対策が難しいといわれています。

また、中途採用の特徴として、企業側は予定している配属先の仕事に適応できるか、即戦力になるかなどを具体的に探ろうとします。
そのため、試験の内容や形式にばらつきがあり、新卒向けの筆記試験より対策が困難です。

新卒者と中途採用では異なる点があるので、「筆記試験は、新卒のときに経験したから大丈夫」と安易に考えると危険なこともあります。
たとえ、筆記試験対策が立てにくいとしても、できることをしっかり行って試験に臨みましょう。

2.筆記試験の主な目的は面接試験の補完

筆記試験の目的は、履歴書や職務経歴書などの応募書類と面接試験の補足です。
応募者が多いときには筆記試験を足切りに使うこともあり得ます。

しかし、中途採用では、仕事への適性(職業適性)や企業が求める人物像なのかを知るための手段として行なわれるのが一般的です。

面接の前に筆記試験を行うことで、面接で確認した方がよいポイントも明らかになるので、面接をより効率よく進められます。さらに、筆記試験の結果と面接官の評価との間に大きなズレがないかなど、試験を併用することで評価の適正さなどを確認することもできます。

筆記試験で重要視されるポイントは企業によって違う

採用試験の中で筆記試験の重要度がどの程度なのか、筆記試験のうちどこを重要視しているのかといった点は企業によってさまざまです。

「筆記試験を型通りに実施しただけ」というケースもありますが、筆記試験の点数が極端に低い場合には足切りをされるといったケースもあります。
筆記試験の点数そのものより「試験に対する意識や姿勢」を見ている可能性もあります。

面接対策だけではなく、筆記試験も抜かりないようにしっかり準備しましょう。

3.筆記試験の種類は大きく分けて3種類

筆記試験の準備はまず、筆記試験の種類を知ることが重要です。ここでは、中途採用でよく用いられているSPIや適性試験、一般常識を取り上げて紹介します。

SPIの目的は「資質」と「性格」の測定

SPI(Synthetic Personality Inventory)は、人の基本的な資質を「性格」と「知的能力」の2つの領域から測定するもので「適性検査」と呼ばれる検査の1つです。

「応募者がどのような人物か見極めること」を目的とし、企業の規模を問わず、新卒採用から中途採用まで多くの企業で用いられています。

最新のSPI3は「組織への適応性」なども測定できる

SPIには、1~3までのバージョンが存在します。SPI1が最も古くSPI3が最新のバージョンで、企業で使われているのはほとんどSPI3です。

最新のSPI3では従来の「仕事への適応性」に加え、困難な場面でどのような行動をとりやすいかという「性格の社会関係的側面」と組織風土に適応しやすい人材かを測る「組織適応性」の2つが追加されました。

SPI3によって測定できる項目は以下のとおりです。

 

性格

  • 性格を4つの側面から測定
  • 行動的側面
  • 意欲的側面
  • 情緒的側面
  • 社会関係的側面

知的能力

  • 思考、判断力、コミュニケーション能力などの基礎的な能力を測定
  • 言語性テスト :言葉や文章の理解力などを測定
  • 非言語性テスト:図表の解釈などに関する能力を測る

その他

  • 人物イメージ
  • チェックポイント
  • 職務適応性
  • 組織適応性

中途採用では「インハウスCBT」が一般的

応募先の企業でSPIを受検する実施方法をインハウスCBTといいます。
試験時間は65分で、結果がすぐにわかるので面接とSPIを同じ日に実施することができます。

試験が1日で済むと在職中に転職活動をしている方にとっては受検がしやすく、企業にとっても効率が良いので、中途採用の試験ではインハウスCBTがよく利用されています。

参考:「インハウスCBT」http://www.spi.recruit.co.jp/service/execution/cbt.html

処理能力や性格、行動パターンを測定する「クレペリン検査」

クレペリン検査は、隣り合う数字をひたすら足していく検査です。
1分ごとに次の行に移り、休憩をはさんで前後15分ずつ、計30分実施します。

クレペリン検査により、全体の計算量(作業量)や計算量の変化(作業曲線)、計算間違いなどから受検者のだいたいの処理能力や性格、行動パターンの特徴などを知ることができます。

参考:「内田クレペリン検査」https://www.nsgk.co.jp/sv/kensa/kraepelin/whatis/index.html

SEやPGには「コンピューター職能力検査」

能力検査には「CAB」というSE(システムエンジニア)やPG(プログラマー)などのコンピューター職を対象にした適性テストがあります。
CABは、暗算や法則性、パーソナリティなどを調べることによってコンピューター職としての職務適性やバイタリティー、忍耐力、チームワークといった特性を測る検査です。

CABはSEやプログラマーに就くことを想定して実施されるので、点数が低いと希望の転職が難しくなります。
事前に対策を立てて準備してください。

参考:日本エス・エイチ・エル(SHL)「Webテスト」http://www2.shl.ne.jp/product/index.asp?view=recruit

SPIやその他の適性検査はアセスメントツール

ここで紹介したSPIなどの適性検査は、企業では一般的に「筆記試験」として行われていますが、厳密にいうとこれらは筆記試験ではなく「アセスメントツール」です。
アセスメント(assessment)とは査定、評価などの意味で、人事評価や採用の場面で用いるときはその人の特性(性格や気質、興味、関心など)や能力の査定といった意味で使われます。

アセスメントツールは特性や能力を測定するためのツールを指し、採用試験では性格検査や興味・関心に関する検査、能力やスキルなどを測る検査などを使用することが多いです。
SPIやクレペリン検査のほかに、Y-G検査という性格検査や職業興味検査、職業レディネス・テストなどの仕事への関心や準備性を調べる検査もあります。

社会人としての常識を問う一般常識試験

一般常識試験は、社会人としての一般的な知識・常識があるかどうかを調べる試験です。
国語や英語、数学、物理、歴史などの学力検査に加え、新聞の政治欄などに取り上げられているニュースをテーマにした時事問題などがあります。

学力検査の難易度は高くない!問題を解くことに慣れるのが大切

学力検査の難易度は企業によってばらつきがありますが、ほとんどが中学校卒業~高校卒業レベルです。ごく稀にセンター試験のような難しい学力検査を採用している企業もあるので、油断は禁物です。

時事問題では社会への関心度が問われる!普段から意識して情報入手

時事問題は、その年に話題になった政治・経済に関わるニュースについて出題されます。
日頃から社会で起きている出来事をニュースや新聞でチェックしていれば、それほど難しくありません。

4.まとめ

筆記試験を採用している企業は決して多くはありませんが、種類や特徴を知っておいて損はないはずです。
特に地元優良企業で筆記試験が採用されているケースが多いので、将来の転職に向けて今から少しずつ勉強してみてはいかがでしょうか?

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